2010年05月06日
TA タルタロ腐(バル×ロト)
タルタロスのBLネタも目次用の記事作ろうかな……
と、連休中結局更新なしになってしまってました、怠け者ですみません。というかコロシアムが楽しすぎてやばかったです。
さて、そんなわけで(?)やっとこさひとつ文章だけ完成しまして。
絵をつけようかと考えていたんですが、内容が内容だったもんで、自分の画力じゃどのシーンも絵にできねぇええええええともだえる結果に。
とりあえずは文章のみでアップすることにします。
本来最初に書こうと思っていた、関係がおかしくなっていくきっかけみたいな話です。
シュバルマン×アエルロト(襲い受)ネタです。
話の中で、多少ネタバレ的なものがあります。要塞の例の赤毛の盗賊団ネタくらいまでの。
あと、キャラの設定としては、以前ネタバレ付で書いた妄想設定がそのまま生きてますので、実際のキャラ設定とは違っている場合がありますというかたぶんほぼ違いますw
そんなもんでもいいぜ! という方のみ先にお進みください。
BL(男男)ネタや妄想設定が嫌い、という方は回避の方向で〜
と、連休中結局更新なしになってしまってました、怠け者ですみません。というかコロシアムが楽しすぎてやばかったです。
さて、そんなわけで(?)やっとこさひとつ文章だけ完成しまして。
絵をつけようかと考えていたんですが、内容が内容だったもんで、自分の画力じゃどのシーンも絵にできねぇええええええともだえる結果に。
とりあえずは文章のみでアップすることにします。
本来最初に書こうと思っていた、関係がおかしくなっていくきっかけみたいな話です。
シュバルマン×アエルロト(襲い受)ネタです。
話の中で、多少ネタバレ的なものがあります。要塞の例の赤毛の盗賊団ネタくらいまでの。
あと、キャラの設定としては、以前ネタバレ付で書いた妄想設定がそのまま生きてますので、実際のキャラ設定とは違っている場合がありますというかたぶんほぼ違いますw
そんなもんでもいいぜ! という方のみ先にお進みください。
BL(男男)ネタや妄想設定が嫌い、という方は回避の方向で〜
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きっかけの一夜
短めの黒髪に黒い軍服風の身なり、腰には細身の剣、左耳には大きめの十字のピアス。そして品はあるがどこか人を食ったような態度。
そんなアエルロトを見てのピンコの印象は「あの人絶対危ない」だった。
「バルマンなんてもう操られちゃってるじゃん!」
出会って共に行動することになったその日のうちから、ピンコはソーマに危惧を伝えていた。
「シュバルマンさんは頼りになりますし、アエルロトさんも悪い人には見えませんよ」
その時は軽く苦笑しつつそう答えたソーマだったが。
オボロスを求め失われた要塞へと旅を進める途中。ランドスたち王国軍に捕らえられてしまい、その檻を抜け出すためにとアエルロトが示した作戦は、違う意味で「この人は危ない」と認めざるを得ないものだった。
(シュバルマンさんもシュバルマンさんです。演技とはいえ真実味ありすぎですよ……)
その時のことを思い出すたび、ソーマは体温が少し上昇するのを自覚してしまう。
演技は確かに迫真だったが、ソーマの腕を掴んだシュバルマンの手は震えていた。
(シュバルマンさん純情そうだし、どっちかというと逆のがよさそうですけどね)
顔まで赤くなっていそうな火照りを感じて、ソーマはふるふると青い髪を揺らして首を振った。
(……そういうのは、体がちゃんと成長してから考えましょう)
「それにしても」
ついボソリとつぶやきを漏らす。
赤毛の盗賊団、とやらが実在しているのかどうかもわからないし、ましてやその頭領が少年ばかりをさらってそんなコトをしているなんて噂にも聞いたことはないのだが、そういった作り話をとっさに思いついてしまうあたり、アエルロトにはそういう趣味があるのではないかと疑ってしまう。
(まさか……ね)
普段の言動を見ていても、女性には優しいというか甘いところがあるし、自分などに対しても丁寧で誠実な態度で接してくれている。変なところはないとは思うのだが。
仲間として加わったその際、どう考えても一番気持ちを操りやすいシュバルマンを選んで声をかけていたのを思い出す。
「そこの騎士さんは少年を助ける機会をうかがっているように見えましたが」
「あなたの剣術を教えていただきたいと思ったくらいです」
「イリシアさんのためです、がんばって演技してください」
……
そして今日。
宿の部屋の空きが都合に合わず、ニ人部屋が三つだけなら空いていると言われ。ピンコはイリシアと同じベッドに寝ることとして、ピンコ・イリシア・ナギが同じ部屋に。ソーマはピンコのロボを預かって一人で泊まることになり。
残りの一部屋にシュバルマンとアエルロトが泊まることになった。
ソーマ自身が一人になるのはまったく構わないことではあるのだが。
「せっかくの機会ですし、剣術について色々とお話聞かせていただければ」
普段はシュバルマンが宿の主人やおかみと話をつけるのだが、わざわざアエルロト自身がその役を買って出た上に、さっさと部屋割りまで提案して、シュバルマンにそう伝えたのだ。
普段の宿での様子から、シュバルマンの「いびきがすごい」のはわかっているはずで、自分から同じ部屋になりたがるなど信じられないとピンコが騒ぐほどだ。
きっと何か企んでいるに違いない――ピンコでなくともそう思ってしまう。
「危険なことはないとは思いますが……」
ソーマはふぅ、と軽くため息をもらし、暗くなり始めた空を不安げに見上げる。
普段であれば美しいと思える紫色の諧調がどこか妖しく広がっていくように感じられて、胸騒ぎが止まらなくなった。
しかし、すでに部屋割りを承諾してしまった今となっては、代わってもらうのも不自然だ。
とにかく今日は様子を見るしかない、と決め、ソーマは部屋に戻った。
◇◇◇
食事は共用の食堂で、ということなので全員そろって食べることにした。
他人の耳もあるため、あまりオボロスのことなどを話すわけにもいかず、食べ物の好き嫌いやこれまで戦ってきた魔物などについて当たり障りのない話をしていた。
その際もソーマはアエルロトの様子を窺っていたのだが、これといっておかしな点はなかった。
「私の顔に何かついていますか?」
ソーマの視線に気づいたのか、アエルロトが軽く微笑んで振り返った。
「あ、いえ……そこの塩を取ってもらえますか」
とっさにアエルロトの前に置かれた塩の瓶を指し、ソーマはそう答える。
「塩分の取り過ぎには気をつけたほうがいいですよ」
アエルロトはソーマの皿を一瞥し、少し違った笑みを浮かべて瓶を手渡した。
ソーマの食事で残っているのは、元々味の濃い肉料理や塩味のスープだけだった。ごまかしで言ったことに気づいたのだろう。
ばれているなら無理に使う必要はない、とソーマは塩の瓶を見せ掛けだけ傾けることもなく自分の前に置いた。
食後、部屋に戻ろうと各々が動き出すと。
「何か心配されてるようですが、まだ信用していただけませんか?」
いつの間にかソーマの横に立っていたアエルロトは微笑んだままそう囁いた。
「申し訳ありません、でも、アエルロトさんはまだ僕たちに隠してることがたくさんあるでしょう?」
「それはそうですが。あなたも同じくらい……」
何かを言いかけたアエルロトの言葉が止まる。
おやすみなさい、と声をかけてナギが通りすぎていった。
「「おやすみなさい」」
ナギへの返答をそのまま互いへの挨拶として、それ以上の言葉を交わさず二人も部屋へと戻った。
(アエルロトさんだけを疑うのは、あまりよくないですよね)
自身も誰にも言わずにしまいこんである秘密がある。それでも仲間を裏切る気も傷つける気もない。アエルロトもそうだと信じるべきなのかもしれない。
シュバルマンもそう簡単に危険な目に遭うほど弱くはない。多少操られ気味なのはわかってはいるが、今までそれで「間違った道を選んだ」と後悔するようなこともなかった。
ソーマは不安を振り切るようにまた頭を軽く振ると、すぐにベッドにもぐりこむのだった。
◇◇◇
「シュバルマンさん……って、もう寝てるんですか」
よほど疲れていたのだろうか。アエルロトが部屋に戻ると、シュバルマンはすでにベッドの中でいびきをかいていた。部屋の灯りも、ベッドの間にあるサイドテーブルの小さなランプ以外、消えている。
「剣術について話したいと言っておいたのに、先に寝てしまうなんて酷い人ですね」
ちっとも酷いとは思っていなさそうな顔で、アエルロトは小さく笑った。
鎧などはさすがに外してはいるが、ベッドの横に乱雑に放り出してある。それだけ眠くてすぐに横になりたかったのだろう。
「好都合でもありますが、ちょっとかわいそうな気もしますね……」
アエルロトはシュバルマンが横たわるほうのベッドに近づき、掛けられていた布団をそっとめくった。上下の衣服はつけたままだった。
「少し面倒ですね」
とりあえず、とつぶやくと、何を思ったのかシュバルマンを横に転がし、うつ伏せにさせる。
そうしておいて自身が身につけていたベルト類のいくつかを外し、それでもってシュバルマンを後ろ手に縛り始めた。
それでも起きないのを確認してから仰向けに戻し、今度は自身がマントなどを外し、身軽な状態になるまで衣服を脱いだ。
「さて……どこで目が覚めるかな」
少しだけ悪戯っぽく目を細めると、アエルロトはシュバルマンの下衣を脱がせ始めた。
「ふごっ」
時折いびきが途切れるが、目を覚ます様子はない。
「先にこれもしておきましょうか」
どこからともなく、薄くて大きめの布切れを持ち出すと、それを細く畳んでシュバルマンの目の上に当て、目隠しをするかのように頭の後ろで結んでしまった。
そのまま上衣の前もはだけさせ、下着に手をかける。
「夢を見ているならきっと、イリシアさんが登場するんでしょうね」
イリシア、という名前を声に出した際、少しだけシュバルマンの口元が震えた気がした。ふ、と小さく笑うと、アエルロトはさっさとその下着も脱がせてしまった。
「……」
本人が起きていれば聞かせてみたい言葉が浮かんだが、まだ寝ているのでその言葉を飲み込んだ。一人で呟いてもちょっと寂しい。
「では、ちょっと失礼しますね。できれば早めに目覚めてください」
アエルロトはそう言うと、唇に軽く口づけて、右手を胸から腹へ、腹から脚の間へと滑らせていった。
今はまだその部分も眠っているかのように頭を垂れているが、予想よりも逞しいそれに指が触れると、シュバルマンの体がびくりと大きく震えた。
「敏感ですね」
「……ぐお!?」
いびきが止まりそのまま硬直するシュバルマン。
「お目覚めですか」
「なんだ、何も見えないぞ! って、アエルロ……ト?」
声の近さから自分を押さえ込んでいる相手がアエルロトだとわかり、混乱しているようだ。縛られた状態の腕をなんとか外そうとしてもがきながら、アエルロトの声がする方向に顔を向けて訊ねる。
「アエルロト、一体どうなってるんだ。俺、誰かに襲われでもしたのか?」
「私が襲ってるんですよ」
しれっと答えるアエルロト。
その言葉にあっけに取られたのか、一瞬シュバルマンの動きが止まり言葉もなくなる。
「それ……どういう……」
「起きていたらきちんと説明して交渉しようと思ったんですが、寝てらしたので」
そう話しながらも、右手はシュバルマンの分身を愛しそうに撫で続けていた。
「いきなり起きて暴れられると怖いので、縛らせていただきました」
「え、え……え?」
段々と頭もはっきりしてくると、自分のされている行為が何なのかに気づいてシュバルマンは困惑した。
「大丈夫です、恐らく貴方が嫌がるであろう行為はしません。せっかく同室なので、一緒に欲求不満を解消しようというだけのことです」
少しずつ熱を帯び硬くなってきていたそれを少し強めに握り、声だけは優しく言葉を掛ける。
「ちょ、待っ、欲求不満って!?」
「隠してるつもりかもしれませんが、隠せてませんよ。イリシアさんへの想いが募りすぎているのに、思うように処理もできずに困っていたのでしょう」
その証拠にもうこんなになってる、と、わざわざ状態をわからせようとするかのように、アエルロトはその手で根元から先端までゆっくりと撫で上げた。
「う……」
図星だったのか、それとも感じてしまったからなのか、シュバルマンの言葉がつまる。
「まあ、男が相手じゃ気分が盛り上がらないかもしれませんが。私はしばらく話すのはやめますから、イリシアさんにされていると思っていればいいと思いますよ」
耳元でそれだけ囁くと、宣言した通りその後は一切声を出さずに、首筋や胸元に口づけ始める。
「そ、そんなこと言われ……ても、だな」
「……」
シュバルマンが何か言おうと、アエルロトは返事を返さない。
そのうち口づける箇所はどんどん下がり、舌が先端に触れた。
「うぁっ、あ、アエルロト……っ!」
「そんなに強く挟まれると肋骨が折れそうです」
ちょうどアエルロトの体を挟むように立てられていた膝が、急激に訪れた感覚に震えて閉じようと力んでしまっていたようだ。
「それと、私ではなく好きな女性だと思ったほうがきっと気持ちいいですよ」
冷静に膝を押し返し、再び先端に口づける。
「し、しかしだな……お、俺はその……」
「こういうことされるの初めてですか?」
あまりにも初心な反応を返すシュバルマンに、アエルロトは思ったことをそのまま口にしてみた。
「わっ、悪かったな初めてで! っていうかだから最初が男とかそういうのは!」
「……この先はまだ考えてませんでしたけど、そっちまですると思ってました?」
意地の悪そうな声でアエルロトは笑う。
「いや、そういうわけじゃない、そうじゃなくて……あぁっ」
何か言い訳をしようとしたところに、新たな刺激を与えて遮る。
「いいから素直に、イリシアさんだと思って感じててください」
そのために目隠ししたんですから、と告げると、アエルロトはそれを咥え込んだ。
「……っ!!」
シュバルマンはもうその感覚に抗えなかった。
◇◇◇
どこでこんなこと覚えたんだ、と問いたくなるような舌や指使いに、シュバルマンは次第に意識が朦朧としてきていた。
「イリシアさ……」
目隠しをされていることで余計に触覚が研ぎ澄まされてしまっているのか、それほど時間がかからずに頂点に達してしまっていた。
「も……出ちゃ……」
さすがに口の中には出せないと考えているのか、我慢しているようだった。
それに気づいたアエルロトは、言葉で告げる代わりに、一層激しく吸い付くように舌や唇を働かせる。
「!」
シュバルマンの体が大きく震え一度硬直し、その後ゆっくりとベッドに沈み込んだ。
呼吸はまだ荒い。
アエルロトは受け止めたものをそのまま飲み下し、さらにうな垂れたそれを洗うかのように舌を這わせ拭い取っていた。
「おまえ……もしかして、飲んだの、か……?」
出してしまって思考が戻ってきたのか、相手がアエルロトだったことを思い出してシュバルマンは改めて困惑する。
「この体勢でこぼしたらベッドが汚れますし」
「そういう問題なのか?」
自分が男のそれを飲み込むなどということは、想像しただけで気分が悪いとシュバルマンは思った。
「私のを飲めとは言いませんよ」
まるで思考を読んだかのように言うアエルロトに、シュバルマンはただ顔を赤らめることしかできない。
「……うう……、で、いつこの腕とか目隠し外してくれるんだ?」
さすがにずっと自分の体重がかかっているのもあり、腕は痺れてきていた。
「まだ暴れられると困るので、もう少しだけ我慢してください」
そう言ってアエルロトは一度体を離す。
目隠しをされたままのシュバルマンには、彼が何をしているのかはわからない。
すぐに戻ってきたアエルロトは、立てさせていたシュバルマンの膝を今度は閉じて伸ばさせ、そこにまたがるようにして膝で立った。
「ま、まだ何かする気か」
「まだ私が解消できてませんし……大丈夫、貴方には痛みとかありませんから」
触れる足は肌が露出しているのがわかった。一度離れたのは自身の下衣を脱ぐためだったのだろうと気づき、シュバルマンは慌てた。
「だ、だから男が最初は嫌だって……! っていうかおまえそういう趣味なのか!」
「私はどちらも大丈夫ですよ。女性じゃないんですから、そんなに初めてにこだわる必要もないでしょうに」
それに、とまた指を先端に這わせる。
「本気で愛したい女性とそうなった時、本当に初めてだと色々と手間取りますよ? 多少勉強しておくのをオススメします」
「う……」
確かに、この歳になって女性の扱いを知らないとなったら、相手をがっかりさせてしまうかもしれない……そんな不安がシュバルマンを襲った。
その時点でいいように気持ちを操られているのだが、そんなことに気づくようなら最初から操られたりはしない。
「何も怖がることはありません、先ほどのように感覚に身を任せていればいいんです。なるべく声は出さないようにしますから、またイリシアさんだと思っていてください」
先ほどのようにと言われ、しっかり感じていた上にイリシアの名を呼んでしまったことを思い出して恥ずかしくなる。
そして。
「疲れて寝ていたとは思えないほど元気ですね。羨ましいくらい」
少し触れられていただけで、シュバルマンのそれは再び力を取り戻していた。
「うー、そういう恥ずかしいこと言わないでくれよ……」
「そうやって照れるところがまたかわいいですよ。女性ウケもいいと思います」
くすくすと笑いながら首筋に口づけを落とすアエルロト。
「男にそんなこと言われても嬉しくないんだが」
「はいはい、もう黙りますから。最初ちょっと冷たいでしょうけど我慢してください」
そう言うや否や、反り返っているそれを立たせるようにして先端に何かを垂らす。宣言通り少し冷たくて、シュバルマンは身を竦めた。
「何だこれ」
「私が楽になる為の潤滑剤です。女性と違って自分で出せませんから」
「なっ……」
女性の体についての話をされ、シュバルマンはなんとなく慌ててしまう。
「ご存知なかったんですか。女性はきちんと感じさせれば、男性を受け入れるための機能が働くんですよ」
動揺しているのを楽しむかのようにアエルロトは話を続けた。
「わかった、もうわかったからそういう話は……」
「はい、黙ります」
自分が黙るというよりも、相手を黙らせるかのようにアエルロトは突然口づける。
右手はまだ薬を塗りつけるかのように動かしたままだ。そのまま自分の体を下げていき、その手で自分の体内へと導き入れた。
「……っ」
「うぁ、あ」
きつい。シュバルマンには、最初はそれしかわからなかった。
どこに何を入れているのかを考えれば、なんとなく「それって辛いのではないか」と思えてしまう。
「ア、アエルロト、大丈夫なのか」
「……」
黙ると言った約束を守るためなのか、アエルロトは答えない。
答えずに、そのまま少しずつ飲み込んでいく。
少し奥まで進んだところで、一度アエルロトの体が小さく跳ねた。
「アエルロト、ほんとに大丈夫か?」
「名前は、呼ばないで、くださ……」
ちゃんと好きな女性を想像するようにと、何かに耐えるかのような喘ぎとともに言われてシュバルマンはどうすればいいのかわからなくなった。
アエルロトはそれほど逞しい体つきではないし、むしろイリシアのほうが筋力は優れているのではないかと思うほどであるから、触れる肌を錯覚することは容易いと感じた。
本人が努力しているように声さえ出さなければ、さらに想像はしやすくなる。
匂いが違っているというのはあるが、むしろシュバルマン自身の汗の臭いのほうが強くなってきていてあまり気にならない。
流されてしまえば、自分は好きな女性としている気分で楽しめるのかもしれない。
「でも、それでいいのか?」
「むしろ、下手に呼ばれると、興冷めしますから……」
「そういうものなのか?」
目隠しをされているせいで、アエルロトの表情は見えない。
しかし見えたところで、普段から何を考えているのかなどわからないのだから、考えを読み取ろうなどというのは無駄な努力かもしれない。シュバルマンはそう思った。
「じゃあ、その、えっと……イ、イリシア、さん」
シュバルマンがその名を口にするのをきっかけにするかのように、アエルロトは体を揺らし始めた。
どれくらいその行為が続いていたのかわからない。
短いような気もするし、かなり長いような気もしていた。
中は少し震えているかのように感じた。
どうやらとある箇所を通過する際に感じているのか、急に締め付けられたりもする。
その感覚に夢中になって、何度かイリシアの名を呼んでいた。
これはきっと夢なのだ、とどこかで思っていた。
想いを告げられずにいるのに、こんなこと起こるわけがないと。
夢なら……もっと貪欲になってもいいのだろうか。ふとそんな風に思った。
「……っ!?」
耳元で息を呑むのが聞こえた。
「ちょ、シュバルマ、さ……あぁあっ」
相手が驚くのも構わず、自ら腰を突き上げていた。
それまでされるがままで横たわっていたのが突然動きだしたものだから、対応できなかったのだろう。
「イリシアさん……イリシアさんっ!」
声が聞こえていても、その名を呼ぶことをやめなかった。
頭のどこかで相手が誰かはわかっていたが、自分で自分を騙し続けた。
そうしろと、言われたから。
「あっ、ああぁ……だめです、シュバルマンさん、そんな」
抑えると言っていた声を抑えられなくなると訴えたいのか、アエルロトは必死で制止しようとするが、縛られて組み伏せられている側だとは思えないほどシュバルマンは激しく動き続けた。
アエルロトのほうが先に耐えられなくなったのか、腹から胸にかけて何か熱いものが飛び散ってくるのがわかった。その瞬間にきつく締め付けられ、シュバルマンも限界に達する。
「イリシアさ……」
最後までその名を呼ぶのをやめなかった。
◇◇◇
「……なあ、いつ外してくれるんだ」
アエルロトはシュバルマンのその問いには答えず、冷えた手ぬぐいのようなものでシュバルマンの体を拭っていた。
目隠しも、後で縛った手もそのままだ。
「何か、怒ってるのか?」
訝しげに訊ねるシュバルマンの声に、アエルロトが手を止める。
「怒る? なぜです?」
声は別に怒ってはいないようだ。逆に、あんな行為を交わした後なのに冷静すぎて怖いくらいだった。
「いや……だってそうじゃないなら、もう外してくれても」
さすがに腕が痛い。そう訴えるが。
「色々処理が終わるまで、見られると恥ずかしいので。腕を外したら目隠しも取ってしまうでしょう?」
本気で恥ずかしがっているのかどうかはわからないが、苦笑するような声でアエルロトは答えた。
「目隠しは外さないと約束してもか?」
「……うーん。貴方なら約束を破るようなことはないと思いますが」
少し考えるような間があり、その後、上半身を起こしていたシュバルマンの後に回るのがわかった。
腕を拘束していたベルトの類が外されていく。外した後には、かなり痛そうな痕が残ってしまっていた。
「すみません、縛るものをもっと考えるべきでしたね」
痕を撫でるアエルロトの指が、少し震えているように感じられ、シュバルマンはなぜか酷く焦りを覚えた。
「あ、いや、気にしなくていい、大丈夫だから」
「でも、とりあえず治癒の術だけはかけさせてください」
両手を今度は前のほうでまとめて支えると、何かを描くように指をぐるりと這わせた。
シュバルマンには見えていないが、小さな魔方陣が光を放ち始める。その輪が腕の周囲をくるりと回り吸い込まれるように消えると、次の瞬間には痕はすっかり消え去っていた。
「あれ……」
痛みが消え、シュバルマンは腕をさすって凹みなどがなくなっていることに気づく。
「いつも戦闘でも回復して差し上げてるじゃないですか、今更驚くことでも」
触媒となる剣を使わずとも、この程度の術なら使えます、とアエルロトは呟いた。
「そういや……剣術の話がしたいって言ってたんだっけ」
思い出したようにシュバルマンが言う。
「そうですよ。それなのに寝てしまっていたから、つい悪戯したくなったんです」
どうやら処理とやらを終えたのか、アエルロトは目隠しを外しながら笑って言った。
「悪戯なんてもんじゃないと思うんだが」
シュバルマンのほうは上着を羽織っただけの、下半身はまだ裸の状態だったが、見ればアエルロトはすでに上下とも服を着ていた。
慌てて布団を抱き寄せるシュバルマン。
「でも、気持ちよかったでしょう」
さらりとそんなことを言われて、シュバルマンは何も返せなかった。
「毎日はさすがに無理ですけど、今後も二人だけで同じ部屋になれればお相手しますよ」
「いや、でも、それは」
歓迎すべきことなのか、拒絶したほうがいいのか。
シュバルマンには判断できなくなっていた。
「貴方が無事イリシアさんに告白して、彼女といい仲になってしまえば必要ないでしょうけどね」
どこか意地の悪い笑みを浮かべて言うアエルロトに、シュバルマンは膨れて見せることしかできない。
「性格悪いなおまえ……」
「まあ、考えておいてください。どうせ貴方のいびきが原因で、他の誰も進んで同室になりたいとは言わないでしょうし」
私はいつでも歓迎しますよ、と言い残すと、アエルロトは隣にある自分のベッドにもぐり込んだ。
「俺のいびきってそんなにうるさいのか……」
なんとなくショックを受けてしまうシュバルマンだった。
◇◇◇
翌朝。
「おはようございますー」
朝食のためにまた食堂に集まった面々だったが。
「あれ、シュバルマンさんは?」
「まだよく寝てらしたので、とりあえず置いてきました。食事は後で運んでおきますよ」
ソーマの問いに答えたのはアエルロトだった。
「……何かあったんですか?」
少し眉をひそめるソーマ。昨晩の胸騒ぎが再び心をよぎる。
「何もありませんよ。剣術についてちょっと遅くまで話し込んでしまいまして」
私は短い睡眠でも平気なんですけどね、と続けて、また黙々と料理を口に運び始める。
と、そこに慌てて起きたかのような、寝癖もついたままのシュバルマンが走り込んできた。
「アエルロト、何で起こしてくれないんだ」
食べそこねたら力が出ないじゃないか、と、たどり着いて早々に席につき、配膳された料理に手をつける。
「起きてすぐ食べると体に悪いですよ」
「ほんっとバルマンてば食い意地はってるぅ〜」
ナギやピンコに言われ、シュバルマンはむせて水を流し込む。
その上向いた喉を何気なく見ていたソーマが、慌てて視線をそらせた。
まじまじと見たわけではないが、それは、間違いなく「わざとつけられた痕」だった。
(やっぱり何かあったんじゃないですか……!)
ほんの少しだけ、遠征隊の行く末が心配になるソーマだった。
が。
二人の間に起きていく変化に、今はまだ気づける者はいなかった。
当の本人たちも含めて。
-------------
アニソン三昧聞きながら仕上げたもんで、なんかテンションがおかしいです。主にギャグ寄りな方向で。
おかしいなぁもっとシリアスばりばりにするはずだったのに……w
うちのロト様は襲い受びっち状態でなんかすみませんって感じなんですが、先日韓国のほうのロト受描いてる方のサイトを教えていただいて、びっちじゃないロトもいいなぁとか思ってしまった次第。
なんていうかもうロト受ならなんでもいいくらい節操がないかもしれない自分。
FEZの頃からそうですが変態ですんませんw
次はミチェロトあたりの話書きたいと思います。
書き出す前に何か滾るものを目にしてしまうとそっち書いちゃうかもしれませんががが。
きっかけの一夜
短めの黒髪に黒い軍服風の身なり、腰には細身の剣、左耳には大きめの十字のピアス。そして品はあるがどこか人を食ったような態度。
そんなアエルロトを見てのピンコの印象は「あの人絶対危ない」だった。
「バルマンなんてもう操られちゃってるじゃん!」
出会って共に行動することになったその日のうちから、ピンコはソーマに危惧を伝えていた。
「シュバルマンさんは頼りになりますし、アエルロトさんも悪い人には見えませんよ」
その時は軽く苦笑しつつそう答えたソーマだったが。
オボロスを求め失われた要塞へと旅を進める途中。ランドスたち王国軍に捕らえられてしまい、その檻を抜け出すためにとアエルロトが示した作戦は、違う意味で「この人は危ない」と認めざるを得ないものだった。
(シュバルマンさんもシュバルマンさんです。演技とはいえ真実味ありすぎですよ……)
その時のことを思い出すたび、ソーマは体温が少し上昇するのを自覚してしまう。
演技は確かに迫真だったが、ソーマの腕を掴んだシュバルマンの手は震えていた。
(シュバルマンさん純情そうだし、どっちかというと逆のがよさそうですけどね)
顔まで赤くなっていそうな火照りを感じて、ソーマはふるふると青い髪を揺らして首を振った。
(……そういうのは、体がちゃんと成長してから考えましょう)
「それにしても」
ついボソリとつぶやきを漏らす。
赤毛の盗賊団、とやらが実在しているのかどうかもわからないし、ましてやその頭領が少年ばかりをさらってそんなコトをしているなんて噂にも聞いたことはないのだが、そういった作り話をとっさに思いついてしまうあたり、アエルロトにはそういう趣味があるのではないかと疑ってしまう。
(まさか……ね)
普段の言動を見ていても、女性には優しいというか甘いところがあるし、自分などに対しても丁寧で誠実な態度で接してくれている。変なところはないとは思うのだが。
仲間として加わったその際、どう考えても一番気持ちを操りやすいシュバルマンを選んで声をかけていたのを思い出す。
「そこの騎士さんは少年を助ける機会をうかがっているように見えましたが」
「あなたの剣術を教えていただきたいと思ったくらいです」
「イリシアさんのためです、がんばって演技してください」
……
そして今日。
宿の部屋の空きが都合に合わず、ニ人部屋が三つだけなら空いていると言われ。ピンコはイリシアと同じベッドに寝ることとして、ピンコ・イリシア・ナギが同じ部屋に。ソーマはピンコのロボを預かって一人で泊まることになり。
残りの一部屋にシュバルマンとアエルロトが泊まることになった。
ソーマ自身が一人になるのはまったく構わないことではあるのだが。
「せっかくの機会ですし、剣術について色々とお話聞かせていただければ」
普段はシュバルマンが宿の主人やおかみと話をつけるのだが、わざわざアエルロト自身がその役を買って出た上に、さっさと部屋割りまで提案して、シュバルマンにそう伝えたのだ。
普段の宿での様子から、シュバルマンの「いびきがすごい」のはわかっているはずで、自分から同じ部屋になりたがるなど信じられないとピンコが騒ぐほどだ。
きっと何か企んでいるに違いない――ピンコでなくともそう思ってしまう。
「危険なことはないとは思いますが……」
ソーマはふぅ、と軽くため息をもらし、暗くなり始めた空を不安げに見上げる。
普段であれば美しいと思える紫色の諧調がどこか妖しく広がっていくように感じられて、胸騒ぎが止まらなくなった。
しかし、すでに部屋割りを承諾してしまった今となっては、代わってもらうのも不自然だ。
とにかく今日は様子を見るしかない、と決め、ソーマは部屋に戻った。
◇◇◇
食事は共用の食堂で、ということなので全員そろって食べることにした。
他人の耳もあるため、あまりオボロスのことなどを話すわけにもいかず、食べ物の好き嫌いやこれまで戦ってきた魔物などについて当たり障りのない話をしていた。
その際もソーマはアエルロトの様子を窺っていたのだが、これといっておかしな点はなかった。
「私の顔に何かついていますか?」
ソーマの視線に気づいたのか、アエルロトが軽く微笑んで振り返った。
「あ、いえ……そこの塩を取ってもらえますか」
とっさにアエルロトの前に置かれた塩の瓶を指し、ソーマはそう答える。
「塩分の取り過ぎには気をつけたほうがいいですよ」
アエルロトはソーマの皿を一瞥し、少し違った笑みを浮かべて瓶を手渡した。
ソーマの食事で残っているのは、元々味の濃い肉料理や塩味のスープだけだった。ごまかしで言ったことに気づいたのだろう。
ばれているなら無理に使う必要はない、とソーマは塩の瓶を見せ掛けだけ傾けることもなく自分の前に置いた。
食後、部屋に戻ろうと各々が動き出すと。
「何か心配されてるようですが、まだ信用していただけませんか?」
いつの間にかソーマの横に立っていたアエルロトは微笑んだままそう囁いた。
「申し訳ありません、でも、アエルロトさんはまだ僕たちに隠してることがたくさんあるでしょう?」
「それはそうですが。あなたも同じくらい……」
何かを言いかけたアエルロトの言葉が止まる。
おやすみなさい、と声をかけてナギが通りすぎていった。
「「おやすみなさい」」
ナギへの返答をそのまま互いへの挨拶として、それ以上の言葉を交わさず二人も部屋へと戻った。
(アエルロトさんだけを疑うのは、あまりよくないですよね)
自身も誰にも言わずにしまいこんである秘密がある。それでも仲間を裏切る気も傷つける気もない。アエルロトもそうだと信じるべきなのかもしれない。
シュバルマンもそう簡単に危険な目に遭うほど弱くはない。多少操られ気味なのはわかってはいるが、今までそれで「間違った道を選んだ」と後悔するようなこともなかった。
ソーマは不安を振り切るようにまた頭を軽く振ると、すぐにベッドにもぐりこむのだった。
◇◇◇
「シュバルマンさん……って、もう寝てるんですか」
よほど疲れていたのだろうか。アエルロトが部屋に戻ると、シュバルマンはすでにベッドの中でいびきをかいていた。部屋の灯りも、ベッドの間にあるサイドテーブルの小さなランプ以外、消えている。
「剣術について話したいと言っておいたのに、先に寝てしまうなんて酷い人ですね」
ちっとも酷いとは思っていなさそうな顔で、アエルロトは小さく笑った。
鎧などはさすがに外してはいるが、ベッドの横に乱雑に放り出してある。それだけ眠くてすぐに横になりたかったのだろう。
「好都合でもありますが、ちょっとかわいそうな気もしますね……」
アエルロトはシュバルマンが横たわるほうのベッドに近づき、掛けられていた布団をそっとめくった。上下の衣服はつけたままだった。
「少し面倒ですね」
とりあえず、とつぶやくと、何を思ったのかシュバルマンを横に転がし、うつ伏せにさせる。
そうしておいて自身が身につけていたベルト類のいくつかを外し、それでもってシュバルマンを後ろ手に縛り始めた。
それでも起きないのを確認してから仰向けに戻し、今度は自身がマントなどを外し、身軽な状態になるまで衣服を脱いだ。
「さて……どこで目が覚めるかな」
少しだけ悪戯っぽく目を細めると、アエルロトはシュバルマンの下衣を脱がせ始めた。
「ふごっ」
時折いびきが途切れるが、目を覚ます様子はない。
「先にこれもしておきましょうか」
どこからともなく、薄くて大きめの布切れを持ち出すと、それを細く畳んでシュバルマンの目の上に当て、目隠しをするかのように頭の後ろで結んでしまった。
そのまま上衣の前もはだけさせ、下着に手をかける。
「夢を見ているならきっと、イリシアさんが登場するんでしょうね」
イリシア、という名前を声に出した際、少しだけシュバルマンの口元が震えた気がした。ふ、と小さく笑うと、アエルロトはさっさとその下着も脱がせてしまった。
「……」
本人が起きていれば聞かせてみたい言葉が浮かんだが、まだ寝ているのでその言葉を飲み込んだ。一人で呟いてもちょっと寂しい。
「では、ちょっと失礼しますね。できれば早めに目覚めてください」
アエルロトはそう言うと、唇に軽く口づけて、右手を胸から腹へ、腹から脚の間へと滑らせていった。
今はまだその部分も眠っているかのように頭を垂れているが、予想よりも逞しいそれに指が触れると、シュバルマンの体がびくりと大きく震えた。
「敏感ですね」
「……ぐお!?」
いびきが止まりそのまま硬直するシュバルマン。
「お目覚めですか」
「なんだ、何も見えないぞ! って、アエルロ……ト?」
声の近さから自分を押さえ込んでいる相手がアエルロトだとわかり、混乱しているようだ。縛られた状態の腕をなんとか外そうとしてもがきながら、アエルロトの声がする方向に顔を向けて訊ねる。
「アエルロト、一体どうなってるんだ。俺、誰かに襲われでもしたのか?」
「私が襲ってるんですよ」
しれっと答えるアエルロト。
その言葉にあっけに取られたのか、一瞬シュバルマンの動きが止まり言葉もなくなる。
「それ……どういう……」
「起きていたらきちんと説明して交渉しようと思ったんですが、寝てらしたので」
そう話しながらも、右手はシュバルマンの分身を愛しそうに撫で続けていた。
「いきなり起きて暴れられると怖いので、縛らせていただきました」
「え、え……え?」
段々と頭もはっきりしてくると、自分のされている行為が何なのかに気づいてシュバルマンは困惑した。
「大丈夫です、恐らく貴方が嫌がるであろう行為はしません。せっかく同室なので、一緒に欲求不満を解消しようというだけのことです」
少しずつ熱を帯び硬くなってきていたそれを少し強めに握り、声だけは優しく言葉を掛ける。
「ちょ、待っ、欲求不満って!?」
「隠してるつもりかもしれませんが、隠せてませんよ。イリシアさんへの想いが募りすぎているのに、思うように処理もできずに困っていたのでしょう」
その証拠にもうこんなになってる、と、わざわざ状態をわからせようとするかのように、アエルロトはその手で根元から先端までゆっくりと撫で上げた。
「う……」
図星だったのか、それとも感じてしまったからなのか、シュバルマンの言葉がつまる。
「まあ、男が相手じゃ気分が盛り上がらないかもしれませんが。私はしばらく話すのはやめますから、イリシアさんにされていると思っていればいいと思いますよ」
耳元でそれだけ囁くと、宣言した通りその後は一切声を出さずに、首筋や胸元に口づけ始める。
「そ、そんなこと言われ……ても、だな」
「……」
シュバルマンが何か言おうと、アエルロトは返事を返さない。
そのうち口づける箇所はどんどん下がり、舌が先端に触れた。
「うぁっ、あ、アエルロト……っ!」
「そんなに強く挟まれると肋骨が折れそうです」
ちょうどアエルロトの体を挟むように立てられていた膝が、急激に訪れた感覚に震えて閉じようと力んでしまっていたようだ。
「それと、私ではなく好きな女性だと思ったほうがきっと気持ちいいですよ」
冷静に膝を押し返し、再び先端に口づける。
「し、しかしだな……お、俺はその……」
「こういうことされるの初めてですか?」
あまりにも初心な反応を返すシュバルマンに、アエルロトは思ったことをそのまま口にしてみた。
「わっ、悪かったな初めてで! っていうかだから最初が男とかそういうのは!」
「……この先はまだ考えてませんでしたけど、そっちまですると思ってました?」
意地の悪そうな声でアエルロトは笑う。
「いや、そういうわけじゃない、そうじゃなくて……あぁっ」
何か言い訳をしようとしたところに、新たな刺激を与えて遮る。
「いいから素直に、イリシアさんだと思って感じててください」
そのために目隠ししたんですから、と告げると、アエルロトはそれを咥え込んだ。
「……っ!!」
シュバルマンはもうその感覚に抗えなかった。
◇◇◇
どこでこんなこと覚えたんだ、と問いたくなるような舌や指使いに、シュバルマンは次第に意識が朦朧としてきていた。
「イリシアさ……」
目隠しをされていることで余計に触覚が研ぎ澄まされてしまっているのか、それほど時間がかからずに頂点に達してしまっていた。
「も……出ちゃ……」
さすがに口の中には出せないと考えているのか、我慢しているようだった。
それに気づいたアエルロトは、言葉で告げる代わりに、一層激しく吸い付くように舌や唇を働かせる。
「!」
シュバルマンの体が大きく震え一度硬直し、その後ゆっくりとベッドに沈み込んだ。
呼吸はまだ荒い。
アエルロトは受け止めたものをそのまま飲み下し、さらにうな垂れたそれを洗うかのように舌を這わせ拭い取っていた。
「おまえ……もしかして、飲んだの、か……?」
出してしまって思考が戻ってきたのか、相手がアエルロトだったことを思い出してシュバルマンは改めて困惑する。
「この体勢でこぼしたらベッドが汚れますし」
「そういう問題なのか?」
自分が男のそれを飲み込むなどということは、想像しただけで気分が悪いとシュバルマンは思った。
「私のを飲めとは言いませんよ」
まるで思考を読んだかのように言うアエルロトに、シュバルマンはただ顔を赤らめることしかできない。
「……うう……、で、いつこの腕とか目隠し外してくれるんだ?」
さすがにずっと自分の体重がかかっているのもあり、腕は痺れてきていた。
「まだ暴れられると困るので、もう少しだけ我慢してください」
そう言ってアエルロトは一度体を離す。
目隠しをされたままのシュバルマンには、彼が何をしているのかはわからない。
すぐに戻ってきたアエルロトは、立てさせていたシュバルマンの膝を今度は閉じて伸ばさせ、そこにまたがるようにして膝で立った。
「ま、まだ何かする気か」
「まだ私が解消できてませんし……大丈夫、貴方には痛みとかありませんから」
触れる足は肌が露出しているのがわかった。一度離れたのは自身の下衣を脱ぐためだったのだろうと気づき、シュバルマンは慌てた。
「だ、だから男が最初は嫌だって……! っていうかおまえそういう趣味なのか!」
「私はどちらも大丈夫ですよ。女性じゃないんですから、そんなに初めてにこだわる必要もないでしょうに」
それに、とまた指を先端に這わせる。
「本気で愛したい女性とそうなった時、本当に初めてだと色々と手間取りますよ? 多少勉強しておくのをオススメします」
「う……」
確かに、この歳になって女性の扱いを知らないとなったら、相手をがっかりさせてしまうかもしれない……そんな不安がシュバルマンを襲った。
その時点でいいように気持ちを操られているのだが、そんなことに気づくようなら最初から操られたりはしない。
「何も怖がることはありません、先ほどのように感覚に身を任せていればいいんです。なるべく声は出さないようにしますから、またイリシアさんだと思っていてください」
先ほどのようにと言われ、しっかり感じていた上にイリシアの名を呼んでしまったことを思い出して恥ずかしくなる。
そして。
「疲れて寝ていたとは思えないほど元気ですね。羨ましいくらい」
少し触れられていただけで、シュバルマンのそれは再び力を取り戻していた。
「うー、そういう恥ずかしいこと言わないでくれよ……」
「そうやって照れるところがまたかわいいですよ。女性ウケもいいと思います」
くすくすと笑いながら首筋に口づけを落とすアエルロト。
「男にそんなこと言われても嬉しくないんだが」
「はいはい、もう黙りますから。最初ちょっと冷たいでしょうけど我慢してください」
そう言うや否や、反り返っているそれを立たせるようにして先端に何かを垂らす。宣言通り少し冷たくて、シュバルマンは身を竦めた。
「何だこれ」
「私が楽になる為の潤滑剤です。女性と違って自分で出せませんから」
「なっ……」
女性の体についての話をされ、シュバルマンはなんとなく慌ててしまう。
「ご存知なかったんですか。女性はきちんと感じさせれば、男性を受け入れるための機能が働くんですよ」
動揺しているのを楽しむかのようにアエルロトは話を続けた。
「わかった、もうわかったからそういう話は……」
「はい、黙ります」
自分が黙るというよりも、相手を黙らせるかのようにアエルロトは突然口づける。
右手はまだ薬を塗りつけるかのように動かしたままだ。そのまま自分の体を下げていき、その手で自分の体内へと導き入れた。
「……っ」
「うぁ、あ」
きつい。シュバルマンには、最初はそれしかわからなかった。
どこに何を入れているのかを考えれば、なんとなく「それって辛いのではないか」と思えてしまう。
「ア、アエルロト、大丈夫なのか」
「……」
黙ると言った約束を守るためなのか、アエルロトは答えない。
答えずに、そのまま少しずつ飲み込んでいく。
少し奥まで進んだところで、一度アエルロトの体が小さく跳ねた。
「アエルロト、ほんとに大丈夫か?」
「名前は、呼ばないで、くださ……」
ちゃんと好きな女性を想像するようにと、何かに耐えるかのような喘ぎとともに言われてシュバルマンはどうすればいいのかわからなくなった。
アエルロトはそれほど逞しい体つきではないし、むしろイリシアのほうが筋力は優れているのではないかと思うほどであるから、触れる肌を錯覚することは容易いと感じた。
本人が努力しているように声さえ出さなければ、さらに想像はしやすくなる。
匂いが違っているというのはあるが、むしろシュバルマン自身の汗の臭いのほうが強くなってきていてあまり気にならない。
流されてしまえば、自分は好きな女性としている気分で楽しめるのかもしれない。
「でも、それでいいのか?」
「むしろ、下手に呼ばれると、興冷めしますから……」
「そういうものなのか?」
目隠しをされているせいで、アエルロトの表情は見えない。
しかし見えたところで、普段から何を考えているのかなどわからないのだから、考えを読み取ろうなどというのは無駄な努力かもしれない。シュバルマンはそう思った。
「じゃあ、その、えっと……イ、イリシア、さん」
シュバルマンがその名を口にするのをきっかけにするかのように、アエルロトは体を揺らし始めた。
どれくらいその行為が続いていたのかわからない。
短いような気もするし、かなり長いような気もしていた。
中は少し震えているかのように感じた。
どうやらとある箇所を通過する際に感じているのか、急に締め付けられたりもする。
その感覚に夢中になって、何度かイリシアの名を呼んでいた。
これはきっと夢なのだ、とどこかで思っていた。
想いを告げられずにいるのに、こんなこと起こるわけがないと。
夢なら……もっと貪欲になってもいいのだろうか。ふとそんな風に思った。
「……っ!?」
耳元で息を呑むのが聞こえた。
「ちょ、シュバルマ、さ……あぁあっ」
相手が驚くのも構わず、自ら腰を突き上げていた。
それまでされるがままで横たわっていたのが突然動きだしたものだから、対応できなかったのだろう。
「イリシアさん……イリシアさんっ!」
声が聞こえていても、その名を呼ぶことをやめなかった。
頭のどこかで相手が誰かはわかっていたが、自分で自分を騙し続けた。
そうしろと、言われたから。
「あっ、ああぁ……だめです、シュバルマンさん、そんな」
抑えると言っていた声を抑えられなくなると訴えたいのか、アエルロトは必死で制止しようとするが、縛られて組み伏せられている側だとは思えないほどシュバルマンは激しく動き続けた。
アエルロトのほうが先に耐えられなくなったのか、腹から胸にかけて何か熱いものが飛び散ってくるのがわかった。その瞬間にきつく締め付けられ、シュバルマンも限界に達する。
「イリシアさ……」
最後までその名を呼ぶのをやめなかった。
◇◇◇
「……なあ、いつ外してくれるんだ」
アエルロトはシュバルマンのその問いには答えず、冷えた手ぬぐいのようなものでシュバルマンの体を拭っていた。
目隠しも、後で縛った手もそのままだ。
「何か、怒ってるのか?」
訝しげに訊ねるシュバルマンの声に、アエルロトが手を止める。
「怒る? なぜです?」
声は別に怒ってはいないようだ。逆に、あんな行為を交わした後なのに冷静すぎて怖いくらいだった。
「いや……だってそうじゃないなら、もう外してくれても」
さすがに腕が痛い。そう訴えるが。
「色々処理が終わるまで、見られると恥ずかしいので。腕を外したら目隠しも取ってしまうでしょう?」
本気で恥ずかしがっているのかどうかはわからないが、苦笑するような声でアエルロトは答えた。
「目隠しは外さないと約束してもか?」
「……うーん。貴方なら約束を破るようなことはないと思いますが」
少し考えるような間があり、その後、上半身を起こしていたシュバルマンの後に回るのがわかった。
腕を拘束していたベルトの類が外されていく。外した後には、かなり痛そうな痕が残ってしまっていた。
「すみません、縛るものをもっと考えるべきでしたね」
痕を撫でるアエルロトの指が、少し震えているように感じられ、シュバルマンはなぜか酷く焦りを覚えた。
「あ、いや、気にしなくていい、大丈夫だから」
「でも、とりあえず治癒の術だけはかけさせてください」
両手を今度は前のほうでまとめて支えると、何かを描くように指をぐるりと這わせた。
シュバルマンには見えていないが、小さな魔方陣が光を放ち始める。その輪が腕の周囲をくるりと回り吸い込まれるように消えると、次の瞬間には痕はすっかり消え去っていた。
「あれ……」
痛みが消え、シュバルマンは腕をさすって凹みなどがなくなっていることに気づく。
「いつも戦闘でも回復して差し上げてるじゃないですか、今更驚くことでも」
触媒となる剣を使わずとも、この程度の術なら使えます、とアエルロトは呟いた。
「そういや……剣術の話がしたいって言ってたんだっけ」
思い出したようにシュバルマンが言う。
「そうですよ。それなのに寝てしまっていたから、つい悪戯したくなったんです」
どうやら処理とやらを終えたのか、アエルロトは目隠しを外しながら笑って言った。
「悪戯なんてもんじゃないと思うんだが」
シュバルマンのほうは上着を羽織っただけの、下半身はまだ裸の状態だったが、見ればアエルロトはすでに上下とも服を着ていた。
慌てて布団を抱き寄せるシュバルマン。
「でも、気持ちよかったでしょう」
さらりとそんなことを言われて、シュバルマンは何も返せなかった。
「毎日はさすがに無理ですけど、今後も二人だけで同じ部屋になれればお相手しますよ」
「いや、でも、それは」
歓迎すべきことなのか、拒絶したほうがいいのか。
シュバルマンには判断できなくなっていた。
「貴方が無事イリシアさんに告白して、彼女といい仲になってしまえば必要ないでしょうけどね」
どこか意地の悪い笑みを浮かべて言うアエルロトに、シュバルマンは膨れて見せることしかできない。
「性格悪いなおまえ……」
「まあ、考えておいてください。どうせ貴方のいびきが原因で、他の誰も進んで同室になりたいとは言わないでしょうし」
私はいつでも歓迎しますよ、と言い残すと、アエルロトは隣にある自分のベッドにもぐり込んだ。
「俺のいびきってそんなにうるさいのか……」
なんとなくショックを受けてしまうシュバルマンだった。
◇◇◇
翌朝。
「おはようございますー」
朝食のためにまた食堂に集まった面々だったが。
「あれ、シュバルマンさんは?」
「まだよく寝てらしたので、とりあえず置いてきました。食事は後で運んでおきますよ」
ソーマの問いに答えたのはアエルロトだった。
「……何かあったんですか?」
少し眉をひそめるソーマ。昨晩の胸騒ぎが再び心をよぎる。
「何もありませんよ。剣術についてちょっと遅くまで話し込んでしまいまして」
私は短い睡眠でも平気なんですけどね、と続けて、また黙々と料理を口に運び始める。
と、そこに慌てて起きたかのような、寝癖もついたままのシュバルマンが走り込んできた。
「アエルロト、何で起こしてくれないんだ」
食べそこねたら力が出ないじゃないか、と、たどり着いて早々に席につき、配膳された料理に手をつける。
「起きてすぐ食べると体に悪いですよ」
「ほんっとバルマンてば食い意地はってるぅ〜」
ナギやピンコに言われ、シュバルマンはむせて水を流し込む。
その上向いた喉を何気なく見ていたソーマが、慌てて視線をそらせた。
まじまじと見たわけではないが、それは、間違いなく「わざとつけられた痕」だった。
(やっぱり何かあったんじゃないですか……!)
ほんの少しだけ、遠征隊の行く末が心配になるソーマだった。
が。
二人の間に起きていく変化に、今はまだ気づける者はいなかった。
当の本人たちも含めて。
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アニソン三昧聞きながら仕上げたもんで、なんかテンションがおかしいです。主にギャグ寄りな方向で。
おかしいなぁもっとシリアスばりばりにするはずだったのに……w
うちのロト様は襲い受びっち状態でなんかすみませんって感じなんですが、先日韓国のほうのロト受描いてる方のサイトを教えていただいて、びっちじゃないロトもいいなぁとか思ってしまった次第。
なんていうかもうロト受ならなんでもいいくらい節操がないかもしれない自分。
FEZの頃からそうですが変態ですんませんw
次はミチェロトあたりの話書きたいと思います。
書き出す前に何か滾るものを目にしてしまうとそっち書いちゃうかもしれませんががが。

