2009年01月16日

FEZ BL読み物 番外編・後編

いろいろ立て込んでた仕事の合間のちょっとした一息タイム。
一気に書き上げてきたよ!(←なにやってんだ)

ぶっちゃけ仕事は遅いのに趣味だと勢いに乗るとむちゃくちゃ早いこの手をなんとかしたい。
なんとか。

この勢いで週末に本編の解決編書けたらいいなー。


現在ふぇず倉庫さま本拠地、「らなかや合作企画」にて連載させていただいている、ゲブ皿×カセヲリ(リバ有)のBL小説の番外編、後編が書き終わりました。
あ、こちらの番外編はカセヲリ同士でございます。

ということで折り返し部分からどうぞ〜。

こちらが初めて、という方は、できれば上記リンク先の「歪んだ約束」辺りから読み始めていただければと思います。
連続モノとなっておりまして、こちらは番外編のしかも後編になりますんで、これだけ単体で読んでもたぶん意味フ状態になってしまうと思われますので〜。


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『惑いし友誼・連鎖』


 赤い髪と鎧の戦士は。
 しばらくは本当にただ青年の傍にいて、共に戦うことに徹していた。
 無理に部屋を訪ねることも、酒を飲もうと部屋に誘うこともしなかった。
 二人だけになりたくないわけではなかった。ただ、そうなってしまったときに自分を抑える自信がなかったのだ。
 嫌われたくない。そう思うが故に、寂しさやもどかしさを感じながらも耐えていた。

 このところ銀の髪の青年は、珍しくカジノで入手したという青い鎧に、戦争報酬のリングで購入できる銀の鎧を合わせて着るようになっていた。
 元々着ていたものも、青と銀を基調とした見習い騎士風の軽鎧だった。
 魔力的な強化を施すことでクリスタルの加護を得ているため、防御能力に問題はないといえばないのだが。
(脱がすの簡単そうだよな……)
 などとつい考えてしまっては、その妄想を振り払うように頭を振って、周囲に訝しがられたりもしていた。

 さらに青年は、どうやら魔物狩りの特訓でも始めたようで、武器を片手剣と盾から、両手斧に変えていた。
 本来ならば、盾持ちの自分と、両手武器の青年は共に行動するほうが戦場で効率よく立ち回れるはずだった。
 だから青年が武器を持ち替えたと知ったとき、少し嬉しかったのだ。
 しかし彼は、動きに慣れていないからと言い訳をしつつ、あまりにも無茶な特攻などを行ってぼろぼろになっていた。
 斧使いに比べ、盾持ちの機動力はたかが知れている。
 ついて行って守りたくても、それが叶わなかった。

 一度など、計算では恐らく取引相手と会っているその日も、戦場でぼろぼろになった姿のままクリスタルで移動し、ヴィネルに行ってしまっていたようだった。
 何か自棄になっているように見えて、とても心配だった。

  ◇◇◇

 そして、次の約束の日だと思われる、早朝のことだった。
 「戦術目標」「目標戦」などと呼ばれる、国王などから命じられて特別に攻め落とし維持するといった戦い方がある。
 その地の所有がクリスタルの力の享受にとても関わるのだと言われている。
 このとき、カセドリア連合王国ではその目標地が「始まりの大地」となっており、支配下に置いておきたい時間帯というのが「早朝」だった。
 早朝から始まる戦争というのは元々人手が不足していることが多く、「戦術目標」に掲げられていた連合軍側は人が集まっていたが、敵国はあまり人がいなかった。士気の高さの違いもあって、あっという間に占領すると、寝不足だった兵などはすぐに帰還していった。

 その戦争でも、青年は戦士から遠く離れた場所で、ぼろぼろになりながら戦っていたようだった。
 戦争の終わり間際に薬でも切れたのか、クリスタルに向かうのが見え、戦士はその後を追っていた。
 青年が回復のためにしゃがみこむよりも前に、戦争は終わった。
 土地が「戦場」という状態から解放されると、なぜか回復などの恩恵に与れなくなってしまう。
 青年はがっかりしたような顔でため息をついて、戦斧をクリスタルに立てかける。

「なんだぁ、またそんな瀕死でうろついてるの〜?」
 戦士は普段通りののんびりした調子でそう声をかけた。
「……薬限界になったから、ここで回復するつもりだったんだ」
 予想していた答えが返ってくる。が、青年はこちらに目を合わせようとはしていなかった。そしてそのまま、小さな薬瓶を取り出してそれを飲み始める。
 瀕死と言っていいほどの傷を負っているように見えたが、青年が飲み始めたそれは一番安価な、回復効果の低い薬だった。
「両手に替えたんなら、ケチらなくてもいいんじゃない?」
 戦士はなんとなく呆れてしまって苦笑しながら、自身の盾や剣を青年の斧の横に立てかける。さらに、邪魔だった冑や篭手などもはずして近くに置いた。
「まだ慣れてないんだ、狩りも」
 その間に、青年はそう言いながら近くにあった木まで移動して、そこに寄りかかっていた。どうやら自分の傷口が治っていくのを見ているらしい。
「安いのでも飲んで寝れば、すぐ治るから」
 うつむいたまま青年はそう言っている。
 そんな無防備な姿に、戦士はなぜか少し苛立ちを覚えた。
 自分は警戒すらされない存在なのかと。
 しかしそれは、本来であれば「信頼されている」という喜ぶべき状況だった。
 戦士はそれにさえ気づけないほど、我慢の限界に来ていた。
 懸命に抑えていた気持ちが溢れ出す。

 まだ気づいていない青年の前に立つと、その影でやっと顔を上げた青年を木に押さえつけ、唇を重ねた。そのまま、木ごと抱きしめるかのように体も押し付ける。
 動けない青年に、ひたすら触れては離れ口づけを繰り返した。
「こんな、とこで……何考え、て……」
 離れるたびに、なんとか抗議しようとする青年の声が漏れる。
「もうみんな帰還してる。それにしばらく次も起きない」
 回復しきれていない青年の腕は、押し戻せずに力なく戦士の体の表面をすべる。それがまるで愛撫のように感じられて、戦士は余計に興奮を覚えた。あの時の喜びを再び味わいたかった。この場で欲しいと思ってしまった。
 銀の鎧からかろうじて露出している首筋に吸い付く。
「! やめろ……それは……っ!」
 痛みも構わず、それまでとは比べ物にならない力で青年がもがいた。
 その必死さに、言い表せない怒りや苛立ちのようなものがふつふつと沸いてくる。
「やっぱり今日、あいつと会うの?」
 日数的には今日の予定だと予測はしていた。ここまで抵抗するということは、やはりそうなのだろう。
「こんな痕があったら、責められる?」
 むしろ自分の存在を誇示してやりたい。戦士はそう思った。
 鎧の構造は知っているため、あっさりとそれを剥いでいく。
 奪った鎧はそのまま地面に転がした。
「わざわざ日数計算したのか……? 取引なんだから仕方ないだろっ」
 青年はそう言って抵抗を続けていたが、大して力は入っておらず、簡単に払いのけることができた。
「本当にただの取引なら、こんな痕気にしないだろ」
 鎧の下に着用していた上衣を肌蹴させ、再び首筋に吸い付いた。強く、印を刻み込むように。
「そういう問題じゃない! こんなとこでっ」
 何か続けようとしていたその青年の口を、自らのそれで塞ぎ言葉を遮る。
 今度は舌を執拗に絡ませ、息すらもできないくらいに深く口づける。
 離すまいと片手で抱きしめながら、もう一方の手で腰の鎧も奪い去る。
「あんた始めからこうするつもりで、ここに来たのか」
 唇を離すと同時に、青年は睨みつけてそう言った。
「いや。またちゃんと回復してないって気づいてからしたくなった」
 見つめられることが逆に嬉しくて、それを受け止めて見つめ返す。
「無防備にもほどがあるだろ。鎧だって軽いものばっかり使うし」
「普通男がそんなことまで考えないだろっ! 重い鎧が嫌いなだけだ!」
 ずっと思っていたことを言っただけなのだが、青年にはその気持ちが伝わらなかったようだ。すでに一度抱いてしまっているのだから、その危険さに気づいてもよさそうなものだというのに。

「一回されたら気づけよ……そんなんだから付け込まれるんじゃないか? どういう取引なのかは知らないけどさ」
 そう戦士が言うと。青年は、抵抗するのもやめて俯いてしまった。
「わからないよ……あんたも、あいつも、わからない」
 何かしばらく考え込んだあと、青年はぼそりとそう呟いた。
「取引と俺の本気を一緒にするなよ〜」
 あいつ、というのが取引相手のことだとわかり、ひどく落胆した。
 自分はこんなに本気で好きだというのに、同じだと思われているとは、と。
 だが、その言葉に青年はますます俯いて、考え込んでしまった。悲しそうな、苦しそうな……落ち込んだような顔をしている。
「そんな顔、しないでくれよ……」
 自分はこの青年を笑顔にしてやりたいと思っているはずなのに、好きだという気持ちを告げているはずなのに、それが逆に青年を苦しめているのだとわかり、どうすればいいのかわからなくなった。
 わからなくて、少しでも表情を変えてほしくて、その頬に触れた。なぜか指が震えてしまっていた。
 欲しい。でも嫌われたくない。笑って欲しい。でも……
 そのままつい、唇を重ねてしまう。これも嫌がられてしまうのだろうかと思っても、止まらなかった。
 しかしそれは、拒まれなかった。

  ◇◇◇

 青年は自分を試したいと言って、戦士にその身を任せてきた。
 嬉しい反面、何が青年にそうさせているのかと思い悩み、抱くことを戸惑ってしまった。しかし青年の側は、本当に何かを探し求めているかのように、そしてそれを助けて欲しいと訴えるように、戦士を見つめた。
 だから、戦士も自分の欲望に従うことにした。
 それに。実際に体を重ねていくことで、もしかしたら、青年の側も自分の好意を心の底から受け入れてくれるようになるのではないか、とも期待してしまった。
 だからこそ大切に扱いたくて、自分の持っていた回復薬も飲ませた。

 しかし青年は、行為の途中で謝罪の言葉を口にした。
 ずっと苦悩しているような顔をしていた。
 自身を責める言葉を呟いていた。

 自分では、だめなのだと思い知らされた。

 結局青年はただ謝るばかりで。
 そうして、夜には取引相手の待つヴィネル島へと渡ってしまった。

  ◇◇◇

 その後も、青年はヴィネル島へ通い続けていた。
 しかし以前のような、悩み苦しむ姿は見せなくなっていた。
 夜間にうなされるようなこともなくなっていた。
 自分は身を引くしかないのだと、なんとなく感じて。
 戦士はその後しばらく、妄想の中で青年を抱くこともやめていた。
 いつまでも未練を引きずってはいけないと、普段の失恋のように忘れてしまえばいいのだと考えて、他のことに夢中になった。
 戦争や、賭け事や、酒に。

 しかし。
 たまにうっかり、青年がヴィネルへ行く晩に同じようにヴィネルの酒場へ行ってしまい、どこかの部屋に案内されていく姿を目撃してしまったり、クリスタルの位置情報から帝国領で狩りをしていることに気づいてしまったりと、青年が取引相手と会っているのだということを認識させられてしまう状態になって、次第に心から平静さが失われていった。
 そしてある日、気になって彼のいた土地――カペラ隕石跡をクリスタルの力で調べていると、二人しかいなかったその青年と帝国兵の示す波動が同時に消えた。
 そのまま、青年の居場所がわからなくなってしまった。
 首都にも帰還せず、かといってヴィネルへ飛んだという形跡もない。
 部隊の仲間の居場所を示すはずのその力が働いていないのだ。
(いったいどこに……?)

 自分の知らない場所に、ふたりで行ってしまった。
 それが不安で、そして悔しくて、落ち着かなくなった。

 その日は結局戦争にも出ずに、ずっと青年の居場所を探していた。
 だが、青年が戻ってきたのは、深夜になってからだった。
 諦めなくてはいけないと思いつつも求めてしまっている自分に気づき、頭を抱える。
 何かしても嫌われるだけだとわかっているのに、また抑えられなくなってきていた。

 それでも、やはり深夜に訪ねるわけにもいかず、その日は眠れないまま夜を明かした。

  ◇◇◇

 それからしばらくして。
 青年がまた、帝国兵とともにニコナ街道の狩場にいるのを知って、戦士はただいらいらとその位置情報を読み取っていた。
 見ていても仕方ないとわかっていても、かといってその場に乗り込んでいく気にもなれず、そして他のことをする気にもなれずに部屋の中をうろついていた。
 苛立ち過ぎたのだろうか、やけに興奮してしまって熱くなっていた。

 なんとなく、それまでは意識してやめていた行為に浸りたくなってしまった。
 最近は商売女を抱くことも減ってしまっていた。どうしても乗り気になれなかったのだ。
(どうせ男に抱かれてるなら、これくらい別にいいよな?)
 そう思った瞬間。
 何度か見かけてしまったその「取引相手」に、青年が抱かれている姿を想像してしまった。敵国の、帝国の兵士に奪われたのだとなぜか強く意識してしまい、嫌悪感で胸が苦しくなった。
「なんで俺じゃないんだ……なんで」
 よりによって敵なんだ。

 あの男を殺してやりたい。そして奪ってしまいたい。
 本気でそう思った。
 戦場で会ったら、クリスタルの力も及ばないほど切り刻んで叩きのめして、二度と復帰できないようにしてやりたい、そう思ってしまった。
 なぜ敵国の兵などと、と考え、まさかどちらかが間諜なのかという疑念が浮かぶ。
 始めの頃は、どう考えても恋仲という感じではなかった。だから当初はきっと、本当にただの取引だったのだろう。
 それが、会って体を重ねるうちに想い合うようになってしまったのか、そしてそのままどちらかが国を裏切るようにまでなっているのではないか、と、とり止めもない考えが廻る。
 考えすぎて、気づいたときにはすでに日が落ちていた。
 無駄に時間を使ってしまったこと、そして食事も取っていなかったことに気づいて、戦士は宿舎の近くにある小さな酒場で適当に飲み食いして戻ると、酔いに任せて眠ってしまおうと考えた。
 適当に服を脱ぎ捨てて寝衣を纏い、布団に潜り込む。

 うとうとし始めた頃だった。
 隣の部屋で窓を閉める音が聞こえ、意識がはっきりしてしまう。
(せっかく眠れそうだったのに)
 そう舌打ちして、頭から布団をかぶろうとして。
 しばらく聞こえていなかったあの声が、聞こえた気がした。
 はっきりしなかったため、願望が聞かせた空耳かもしれないと思いつつ、確かめずにはいられなくて壁に耳をつけた。かすかではあるが、荒い息遣いが聞こえる。
 そしてその声が一度途切れた後。
 悲鳴にも似た激しく喘ぐ声が上がる。
 もう眠気はどこかへ行ってしまっていた。
 今まで青年がひとりでしているであろう際には聞こえたことのなかった、抑えが利かないといった様子の声に、これまで耐えてきていた欲望の、箍がはずれかかった。
(なにやってんだあのバカ……!)
 相手の男を連れ込みでもしたのか、と思えるほどの声だった。必死に抑えているのかくぐもった状態に変わってはいたが、まだ続いている。
 戦士は一度部屋を出て、青年の部屋の扉のノブに手をかけた。だが、当たり前のようにそれは閉ざされていて動かない。
 部屋に戻ると、先ほど窓を閉める音が聞こえたことを思い出し、自室の窓を開けて隣を覗き込む。さすがに窓の中までは見えない。
 だが、窓と窓の間はそれほど離れていなかった。
 それに、外壁に張り出している梁のようなものが足場にできそうに見えた。
 三階のここから落下すれば怪我はしそうだが、回復剤でなんとかなるだろうと踏んだ。
 試しに覗いてみるだけ……そう自分に言い聞かせて、窓から身を乗り出した。

 少しずつ、模様のように出っ張った煉瓦などにつかまりながら足の位置をずらしていく。持ったままの部屋の鍵が邪魔だったが、もしここから落ちたりした場合鍵がないと部屋に戻れない。置きに戻るわけにもいかず、そのままなんとか隣の窓まで耐えた。
 たどり着き、ガラス越しに部屋を覗き込むが、暗くてよく見えない。
 一か八かと窓に手をかけると。それはいともあっさりと開いた。
 先ほど閉めた際にでも鍵を忘れたのだろうか。
 そう思ったが、それも自分を受け入れてくれるという運命なのだと、なぜか勝手な方向に解釈して済ませてしまった。
 遮る壁も窓もなくなった状態になると、青年の声ははっきりと聞こえていた。
 快楽に戸惑いながらも溺れ始めているような、必死な声。
「ぁ、は、早く……たすけ……」
 薄暗がりの中、侵入者にも気づかずにベッドにうずくまる姿が見えた。
 耐え切れなくなって、戦士は鍵を手近な机に置くと、そんな青年に覆いかぶさるようにして抱きしめた。
 その身が一瞬大きく震える。
「な……」
 言葉にもならないほど驚いているのがわかった。
 当たり前だ。こんな深夜に人が来るなどとは思っていなかったのだろう。
 片方の手を下腹部へ持っていくと、すでに熱く固くなったその部分は先端が湿っていた。さらに足の間へと手を伸ばすと、何か異物が蠢いているのがわかった。
 それのせいなのか、青年は声は上げなくなっていたものの、体がまだ時折ひくついていた。

「そんな声ずっと出されてたらたまらないんだけど」
 戦士はやっとのことでそれだけ言う。自分の鼓動も速度を上げ、息も荒くなってきているのがわかった。もう抑えられそうもなかった。
「どうし、て」
 少しずつ状況がわかってきたのか、青年がそう訊ねた。
「ベッドの位置が近いんだろうな、寝てると声聞こえまくりなんだよ。我慢できなくなってきて、試しに窓伝って来てみたら鍵かかってなかった」
 嘘をついても仕方がない。真実をそのまま言った。
「だからって、勝手に、忍び込むなんて……犯罪だろっ」
 震える体で、青年はもがく。
「おまえが鍵忘れるのが悪いんだろ。そもそもこんなに声上げて」
 抵抗されて余計に、支配したいという欲が煽られた。
「誘惑してんのそっちじゃないか」
 こんなものを咥えこんでと、そう苛立ち任せに、青年を責め立てていた物体を掴んだ。
 そんな刺激にも感じてしまうのか、青年が声を上げ仰け反る。
「こんなおもちゃにすがるほどあいつと会えない時間が寂しいなら、俺を呼べよ」
 どうせ午後まで会ってたくせに、と思うと余計に腹が立った。
 青年が何か言おうとしていたが、もう耳に入らなかった。
 邪魔なその異物を無理やり引き抜いて、そこに自身を納める。何か液体を使用していたのか、まとわりつくような奇妙な感覚が敏感な部分を余計に刺激した。
 言葉では嫌がる青年を、欲望に任せてそのまま蹂躙した。言葉では拒絶しながら、求めるように締めつけ体を震わせ、声を上げる青年に、ますます苛立ちが募る。
 ずっと聞きたくて、問い詰めたくて、聞けなかったことを、まくし立ててしまっていた。そのどれにも返答はなかったが。

  ◇◇◇

「あいつは、俺と同じなんだ」
 訊ねたことに対する納得のいく返答は得られなかった。
 挙句の果てに、そんなことを言われてしまった。
 何が同じなのか。同じでないらしい戦士にはわからない。
 それまで背中から抱きしめていた青年を強引に転がし、改めて組み敷いた。
「わかんねぇよそんなの!」
 理解できなかった。
「敵のあいつが好きだなんて、おまえ、もしかして帝国の密偵なのか?」
「違う!」
「じゃああいつがこっちから行ってる密偵なのか?」
 なんなんだ、何で敵とそんな関係でいられるんだ。
 理解の範疇を超えたその状況に、戦士は我を失っていた。
 青年が何か必死に訴えていたが、そのすべてが理解できなかった。
 もう、何もかもがどうでもいいと思えてきた。

「敵国のやつとそういう意味でも通じてると通報されたくなかったら」
 自分よりも少しだけ白いその肌に指を這わせる。
「俺のことも受け入れてくれよ」
 取引ならおとなしくするというなら、自分も取引すればいいのだ。
 嫌われようとどうしようと、体を重ね続ければ、きっといつか。
「あんた俺を脅す気か……!?」
 青年は驚いたように目を見開いている。
 なんだかそれがおかしかった。驚くようなことでもないだろうに、と。
「だって、取引ならできるんだろ」
 こうやって口付けることも、抱くことも受け入れるのだろう、取引なら。
「あいつとも最初はただの取引だったんだろ。だったら俺とも取引してくれよ」
 いつか、あいつを求めたように自分を求めてくれるかもしれない。

 抑制され限界を超えてしまった想いは、その考えの異常さに気づけないほど、戦士を追い詰めていた。

                            (本編へ続く)
-----------

戦士君の(改めて付けた)名前を出そうと思いつつ、結局出さないまま書き終わってしまいました……あれ?
ま、まあなくても読めると思うんで、名前出しは本編の解決編のほうでということで。
今回の話は「綻びる悪夢」あたりから「過熱」に至るまで、という感じです。実際のエ□シーンはあちらでご覧ください。
いや手抜きってわけじゃないんだ……同じ描写はメインの視点が変わってもなんか熱意が継続しなくて書けないんだ……w
まあ、あのその、過去のを読み返す機会ってことでひとつよろしくお願いしまs

本編はふぇず倉庫様の「らなかや合作企画」よりご覧ください。

次は本編解決編だぁああああああ


Rana at 19:40│Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!読み物 | BL(男男)ネタ

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